2007年 12月 28日
今年の芥川賞受賞作。日本に帰ったときちょうど文藝春秋に選評が載っていて‘これはいけるかも?’と、その場でこの本を購入。読むのは今になってしまったけど。
芥川賞受賞作は一時期、すぐ単行本を買ったりもしていたけど、自分的にはハズレが多くてそれから単行本を買って読むということはほとんどありません。 で、これが久々。(多分アメリカに住んでなかったら図書館で借りてただろうけど。) 結局、購入した甲斐があったって?? 私はかなり楽しめました。 出だしは‘何だ?このヘンテコな小説は?’って思ったんだけど、入り込んだらもうアサッテワールドにどっぷり。 前半は可笑しくて、楽しくて、所々噴出しながら読んでいたのに、何だか気がついたら叔父さんの苦悩に同化しちゃって切なくなっちゃってる自分がいた。笑 なんか、上手く丸め込まれてしまっていた~~。(>_<) という感じ。笑 叔父さんがアサッテスパイラル?の様な後戻りできない渦のようなものに取り込まれて、だんだんと壊れていく様は「おかしくて、やがて哀しい」という言葉がぴったり。 でもね、語っているのが本人ではなく、甥っ子という別の視点だからなのか、叔父さんの苦悩の割にはどよよーんとした重さが感じられないのです。 それがこの小説のとても好きな部分かな。
by canal-city
| 2007-12-28 16:00
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