2006年 02月 01日
壊れるまでに張りつめた気持ち。 そらすこともできない二十歳の恋 そんな印象的な帯の文字に惹かれて、話題のこの本を図書館で予約しました。で、しばらく待ってから手元に。図書館で予約しておいても、待っている間に何となく「まぁいいや」となってしまったり、 タイミング悪く忙しい時に順番が来て読めずに返したり。と最近はそんな事が多いのですが、今回は気軽に読めちゃいそうだったのでさらりと読み始めたら・・・。 もう、止まりません!!! あっという間に読んでしまいました。(^_^;) しかも半分位から泣きながら。(笑) この作者の島本理生さんってまだ20そこそこでしょう??どうしてこんな本が書けちゃうの?と、呆れかえってしまうほど、上手いですね~~~。 この主人公達に感情移入ができる人ならば、この本はきっときっと面白い。 でも、もし理解不能なら、きっと全然ダメ。 という万人向けではない本です。(笑) 基本的に女性向けのものだと思います。若い子向きだと思ってましたが、30代半ばの私でも十分楽しめました。(←精神年齢が低すぎるだけという話も・・・) でも、くらもちふさこの「海の天辺」(←少女マンガ!)のよさがわかる人になら、あえてお勧めしてみたい。 同じく教師と生徒の恋愛モノです。(笑) ちょっと苦しすぎるかな? こんなに苦しい恋愛小説って久しぶりに読んだなぁ。 本当にせつなすぎる・・・・!! けれど、葉山先生ってなんて弱くてずるい男なんだ!? 優しさも、弱さの裏返しな感じだし。 でも、なんか憎めない。結構好き。(笑) それに、死にたいとまで思って苦しんでいる時に たった一人だけ自分を救ってくれる人がいて それが、葉山先生と泉のようにすごく呼吸の合う2人で しかも、相手がまた自分を切実に必要としているって知ってしまったら。 裏切られても、好きだよな、きっと。 泉の気持ちがわかるから、途中からページを繰るのが苦しくなりました。 でも、止められないですけどね。(^_^;) ラストも涙出まくりで、ハッピーエンドじゃないけど 最高の終わり方だった。 こりゃ、女性作家ならではの視点ですね。 そして、泉がめぐり合った最高の人生の伴侶。 苦しさを伴わない、歩いていく道がちゃんと見える相手。 理想的な展開でした。(笑) ただ、柚子ちゃんのエピソードは悲しすぎた。 そこまで悲しいエピソードはなんだか、この話にそぐわない感じがして・・・。 もっともっと重く扱うべき問題だから。 他にも読み終えてから全体を再び通してみた時に、あまり本筋に関係ないのでは?と思う場面もありました。 でも、それでも、こんなにも苦しくて愛おしくなる(感動とは違う気がする)小説には久々に出会った気がしたので、早速単行本も購入してしまった。(笑) 作中、主人公たちが昔の映画の話をよくしてました。 ナラタージュという言葉も映画の言葉みたいだし。 私も、中学・高校時代、BSや深夜枠で古い映画を見たり、遠くのビデオ屋まで自転車扱いであまり学校の皆が見ない映画を借りたり、名古屋の小さな試写室で古い映画の上映会に行ったりとかしてたのだけど、まわりにそんな映画の話をしたりする相手が見つからなかったから、葉山先生のような人が私にもいたらよかったのになー。と思った。(笑) 今はネットがあるから、簡単に人の感想を聞けたり、伝えたりってできるけど、私の学生時代はパソコンではなく、スーパーコンピューターとか言う代物の時代だったからなぁ。(古っ) ま、泉が小野君に言うように映画なんて1人で楽しめる物だからよかったのだけれども。。 ビクトル・エリセ作品って見たいみたいと思っていたのに見ていないもの。 もう、今から借りてきてすぐにでも見たいぞ!って思ってしまいました。
by canal-city
| 2006-02-01 23:18
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